債務整理の教科書

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債務整理の前に借金を減らす方法とは?

債務整理を行う前に、まずは自分で精いっぱいやれることをやって、借金額を減らしていきましょう。

債務整理を考えるのは、その後です。

 

動産の処分

債務の削減には資金が必要です。問題は資金の調達にあります。通常の給与などの所得で過剰な債務の弁済を続けることには限度があります。一般に給与は日常生活の支えとなっているからです。

債務の発生原因にもよりますがモノを買い込んで過剰債務状態に陥った人の場合、その買い込んだモノが残っていることがあります。借金で買ったものだけでなくその以前から残っているモノ(ブランド品・貴金属・書画骨董・趣味の蒐集品等)を売却し、現金化して債務の返済に充当します。

借金してまでモノの購入にこだわる人にとって、そのモノの処分は自己存在を否定されるように感じられるかも知れませんが、破綻してしまえばモノなど真っ先に処分の対象になります。強制的に処分されるのではなく、自ら処分することで売却先を選択でき、売却タイミングを選ぶことが出来ます。有利な処分をお勧めします。

 

車両の処分

車両は売却しやすい財産です。車両の売却で難しいのはその車がないと生活できないと言うような場合です。車の状態にもよりますが、最低限の車(軽自動車で購入後10年以上経過している等)でない限り売却し、最低限の車に買い換えた方が得になります。特に車を小型化させることによって、自動車税や保険料金、燃費、駐車場代金などの維持費も減少します。

なお、自己破産の申し立てをすると車両は売却しなければならない可能性もあります。

 

自宅の処分

自宅不動産の処分には様々なケースがあります。

①住宅ローンが残っている場合

住宅ローンで購入した住宅で、購入後10年を経過していない場合は、基本的にローン残高を上回るような金額での売却は難しいと思われます。住宅ローンの多くは元利均等払いという返済方法をとっており、返済額からまず利息が支払われ、その残りが元金に充当される仕組みになっているからです。

自宅がいくらくらいで売却できるかは街の不動産屋に聞き合わせれば大方判断が出来ると思います。問題は2点あります。一つは金融機関が売却を認めてくれるかどうか、もう一つは売却後今度は家賃が発生すると言うことです。

まず家賃が発生するから売却しても意味が無いと考えがちですが、現在の住宅ローンの支払額を賞与分まで含めた年額で考えます。年間いくら支払っているでしょうか。3000万円を35年払い(金利2.475%)で試算したところ年間返済額は130万円ほどになりました。月額約11万円になります。これに固定資産税、火災保険料、地震保険料、シロアリ防止工事(木造家屋)、マンション共益費・修繕積立金(マンション)等を加えると月額15万円くらいになるでしょう。

一方、借家に転居すれば仮に家賃10万円としても固定資産税不要、建物修理費不要、建物火災保険料不要、建物地震保険料不要、シロアリ防止工事不要、マンション修繕積立金不要などとなり、少なくとも年間50~60万円は浮いてきます。この差額は債務の削減を図らなければならない人にとって少なくい金額ではないはずです。

 

②金融機関にローン残高が残っている物件の処分

金融機関はローンの残高が残っている物件の売却は原則認めてくれません。売却は認めても抵当権を外してはくれません。それではどうするかですが、ほぼローン残高で買い取ってくれる人を探すの方法が一つ、ローン残高から売却金額を差し引いた金額を別の金融機関から借りてきて完済する方法が一つ、もう一つは自分が大家になって賃貸する方法が一つです。自分は家賃10万円の貸屋に住み、自宅は家賃月額20万円以上で貸し出します。立地条件や面積、築年数などで20万円以上が難しい場合は、できるだけ15万円以上に近い賃料とします。

実は家賃が10万円の貸屋に住むと水道光熱費が大幅に減少します。それは面積が狭くなるであろうからです。マイホームは目いっぱい広く作っていたかも知れませんが、その分水道光熱費がかかっています。その減少額が月1万円でも年間12万円になります。

 

③自宅にローン残高がないか、あってもごく少額という場合

債務の削減が必要なほど債務があり、日常的な収入の範囲で返済が出来ないと言う場合、売却する資産は動産 → 車両 → 自宅と言う順番になりますが、動産を処分し、車両を処分しても債務の残高が多いという場合は自宅の売却も検討すべきです。

ローン残高がないか、あってもごく少額という場合は売却自体にはほとんど問題がありません。問題は「そこまでしなければならないか」という気持ちの問題だと思います。債務者の年齢と債務の状況にもよりますが、平均寿命の80歳前後まで、あるいはそれ以上先まで借金漬けの人生を送る道を選ぶのか、自宅を売却することで借金も財産もない人生を選ぶのかは、その人の価値観の問題です。一つだけ言えるのは不動産の売却は売りよう買いようなので、条件の良いときに売却する、というのが良い方法だと思います。